G プレス | 2018年6月29日
SP対談  vol2片岡x土橋 3

昨今のアニメトレンド事情とこれからの話
[後編]

片岡秀夫さんと土橋圭介さんによる対談の後編。ここでは片岡さんが専門にされているアニメ分析の話題を中心に話が展開されます。最後にいっておきたいことにもご注目ください。※この対談は4/19に収録しました。

Gプレスvol.163
ーー アニメ視聴データの話

片岡
視聴データで NHK さんのアニメについて見てみました。例えば「クラシカロイド」はどちらかと言うとアニメのオタク向けというよりは一般の若い層なので、これで見るとどうなんだろう?って組み合わせになってます。この「クラシカロイド」を見ている人たちが一緒に見ている他の作品としては、「双星の陰陽師」とか「3月のライオン」の値が高めなんです。
グラフ 2:「クラシカロイド」のファン集合

「TimeOn アニメ視聴分析」より
http://m.timeon.jp/blog/category/analysis-anime/

一方「3月のライオン」を見ている人たちのデータでは、「昭和元禄落語心中」、「クズの本懐」、「鬼平」あたりの親和性が高くて、あとは「弱虫ペダル」がやや高いくらいです。「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」は右に寄っているので視聴者は多いのですが、縦軸としては 0 に近いので、「3月のライオン」視聴者が特に多い作品ではないという意味になります。だから、筆頭は「昭和元禄落語心中」ということになりますね。
グラフ 3: 「3月のライオン」のファン集合


ファン層グラフの見方


土橋
完全に女性ですよね。


片岡
はい。女性かつ人間ドラマでの面白さ。


土橋
見ている属性が全く一緒ですね。


片岡
すごく親和性が高いですよね。一般の作品より2倍くらいですかね。


土橋
「3月のライオン」ファンが (「昭和元禄落語心中」を) 見てるってことですね。


片岡
比率的には21%~22%くらいですから、5人に1人は一緒に見てます。これはほぼ終わりまで見た人の集合で出しています。次点で「クズの本懐」と「鬼平」と「弱虫ペダル」あたりですね。意外と面白いのは「クラシカロイド」が縦軸で上に来てるところ。これはやはりNHKさんを見ている流れで共通の視聴者をある程度捕まえていると考えられます。


土橋
見ているんでしょうね。双方にスポットを入れているので。


片岡
影響はありそうですが、接触率は5%と低く、20人に1人くらいが見ている感じですね。


土橋
割りと高いですね。


片岡
「クズの本懐」と「弱虫ペダル」。意外と「鬼平」も高いですね。ここが「3月のライオン」視聴者層が好む類似番組と言いますか、右寄りなほど接触率が高く、上寄りなほど親和性が高いという作品群です。


土橋
すごく腑に落ちますね。


片岡
こういった分析以外でも、どの場面が人気とか不人気とか、視聴離れや飽きさせない工夫に役立つような分析は大事ですね。ずいぶん昔、NHKエンタープライズさんで講演させてもらったときに、そういう話題が出て、ドキュメンタリー番組などで現場が知りたいのは、どういうところがウケてどういうところがつまらないから飛ばされているのか。その観点で録画視聴のデータはすごく気になると。最近もコンテンツ制作の方から言われましたが、制作時に気をつけるポイントの発見は重要であり。今後はそういうのをやっていかないと配信事業者に勝てないともおっしゃってました。


土橋
そう言う側面は否定できませんが、マーケティング至上主義もなぁ…


片岡
データを見ながら細部まで研究して、クオリティも高くて、面白いからみんな食いついて見る配信系の作品に対抗するのに、ただ単に今までのやり方でやっているのでは…


土橋
まあ、勝てないですからね(汗)。「3月のライオン」なんかは、1:2くらいで録画視聴率のほうが高いんですよね。だから圧倒的に録画で見られていることが実感としてあって、「クラシカロイド」はリアルタイムのほうがちょとだけ多い感じかな。


片岡
時間帯的にはそうでしょうね。アニメは他の作品も基本的にそんな感じです。むしろ1:2ぐらいだリアルタイムが多い方かもしれません。「クラシカロイド」のライブ視聴と再生視聴のバランスをグラフで見てみると…
グラフ 4:「2017冬アニメ ライブ率と再生率のバランス比較」


土橋
やっぱりライブ視聴ですよね。


片岡
ライブ視聴と比較して再生視聴が全体の中でもかなり低いほうですね。一方「3月のライオン」は、右に行かずに上に行ってますからライブ視聴が低くて圧倒的に再生視聴寄りですね。一方、時間帯が良かった「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」はもう両方高いという感じです。


土橋
これはもう納得ですね。


片岡
意外にこれが面白いんですけど、「クズの本懐」はライブと再生が拮抗している。つまりライブがいいんです。「クズの本懐」に限らずフジテレビさんのこういう恋愛ドラマ寄りのコンテンツは、リアルタイムにも話題になる傾向があります。どちらかと言うとアニメ番組を見るよりはフジテレビさんの深夜枠を見る客層がアニメも見るという流れかもしれません。


土橋
ドラマファンとかなんですかね?


片岡
そうですね。そういう深夜ドラマを見る人たちの集合と、いわゆるコアアニメファンの集合が融合した視聴者だろうと思います。あと「昭和元禄落語心中」も割と高いですね。真ん中というかこっちに寄せてないので。これは軽い比較ですけど、またちゃんと集合で抽出してどういう種類のものが混在しているかって感じですね。


土橋
面白いなぁ。


片岡
あと過去作品の放映権を買ってくるとき、ちゃんと再生まで含んで分析していくことで、どれが人気があるか、同傾向のものはどれかなど、アニメ番組の買い付けの指標として使えるという話があり、これは配信系の皆さんも興味があるとおっしゃっていていました。


土橋
たしかに過去実績あるもののほうが買いたくなるので。


片岡
そうですよね。有名作品はみんな分かる「ガンダム」とか「ラブライブ!」とか。問題はその次のミドルクラスをどう選ぶかってときに何となくわかりにくい。特に、コアなマニア層以上に、カジュアルな層に広げたいときはなおさらですね。


土橋
だから、ついつい自分の趣味だったりうちならきっとこういう作品のほうがいいだろうと特にデータよりは勘に頼りがちで。


片岡
勘は勘で意外にあっている部分はあるんですけど、じゃあ数を増やしたり視聴層を引っ張りたいとなったら類似性は勘だけでは


土橋
無理ですね。


片岡
言われてみれば「昭和元禄落語心中」は納得するけど、じゃあパッと見て同じ視聴者が被っている番組を挙げろと言ったら、「3月のライオン」に対して「昭和元禄落語心中」は出てこないと思うんですよ。


土橋
NHKの場合は普段NHKを見に来ない人が、アニメだったら見に来ると会社の中では期待されているので、だからなるべく普段来てくれない人がとは思うんですけど、あまり外れちゃうと全然見に来なかったりするので…


片岡
萌系を急にやってもね(笑)


土橋
そうなんですよ。


片岡
「3月のライオン」で新しい視聴層を連れてきているという意味では、「昭和元禄落語心中」は「3月のライオン」と似た意味を持ちそうですよね。


土橋
そうですね。


片岡
こういうドラマ性の高いクオリティのアニメが放送されると、視聴者もそういう層が注目しやすいのかなと思います。


土橋
そうですね。


片岡
「昭和元禄落語心中」の楽曲も椎名林檎さんで NHK さんと親和性が高い。


土橋
「昭和元禄落語心中」をNHKでやるべきだな(笑)


片岡
親和性が高そうな作品の一つですね。「鬼平」も出来が良かったので、このあいだのシェイク!で話題になったんですよ。


土橋
「鬼平」のプロデューサーの丸山さんは自信たっぷりでしたね。企画を聞かされたとき、「えっ、鬼平??」って言っちゃいましたよ。丸山さんは「土橋くん大丈夫だよ」って。「鬼平」はイケメンというかいい感じでしたよね。


片岡
シズル感というか人情がいい感じのバランスでしたよね。作品の中の凝縮されたドラマの面白さはもう抜群じゃないですか。長年培われた面白エピソードが全部揃ってますよね。そういったキラーストーリーを全部揃えて、それでいてアニメに向いたエピソードを選んだんでしょうね。だからよく練られていますよ。


土橋
よく練られてました。


片岡
ただ単に放送をやったんじゃなくて、計算されてましたね。ああいうのも割りと向いているのかも知れないですね。昔の視聴者が見たら面白いけど、新しいファンも付いちゃうみたいな感じで。


土橋
最初のあれだけ見ると、視聴者はちゃんと付いていけるのかなという気はしましたけどね。違和感なく時代劇なんですけど、時代劇とは見なかったです。


片岡
ちょっとオシャレな感じでしたよね。面白いポジション狙ったと思いました。


土橋
ポジショニングはすごく難しい。アニメの時代劇を古臭さく見せないようにしようと思うと、ポップにしてみたりファンタジーっぽい路線にみたいに安易に寄せちゃいそうなところを、どちらかというと直球じゃないですか。だけどあれだけ上手く出来ている。さすがベテランプロデューサーは違うなと。


片岡
そうですね。大大ベテランですからね。

ーー NHKのアニメにはライバルがいるのか?

片岡
NHKのアニメにとってライバルはいるんですか?ライバルを想定してここは意識しているぞってポイントがあれば教えて下さい。


土橋
いやー難しいですね。会社背負っている立場じゃないので(苦笑)。「僕のヒーローアカデミア」と「メジャーセカンド」の裏かぶりはありますけど…アニメでライバルみたいなことを意識したことないですね。むしろアニメ以外がライバルかな。アニメ自体は民放さんも含めてそうなんでしょうけど視聴率は、他のジャンルと比べて取りにくい状況です。数字が悪いといい放送時間はもらえないし、枠が廃止なんてこともあります。だからアニメというジャンルがNHKというメディアの中で生き残っていくため、より多くの人に見てもらえるものはどういうものなんだろうかというのは常に考えてますね。だから殊更他のアニメを意識するわけじゃなく、むしろ他ジャンルも含めて常に全体を意識してないと生き残れないのかなと思っています。


片岡
子どもの頃からお世話になっているテレビファンからすると、「未来少年コナン」がある意味一番好きなテレビ番組と言えるくらい好きなんです。


土橋
皆さんにそうやって言っていただけるのは有り難いです。


片岡
あれが最初で宮﨑駿さんを知り、以後の劇場も1本目から全部見たのは「未来少年コナン」にハマったからで、そういう人が多いかなと思います。私としては「ルパン三世」もそのあとぐらいなんですよね。あれから「ルパン三世 カリオストロの城」や一気にルパンのオリジナルシリーズの再放送を見ました、だから「未来少年コナン」が無かったらというぐらい大きな経験でした。そのあと「キャプテン・フューチャー」をやったんですね。


土橋
二本目はそうでしたね。


片岡
それも大好きなんです。もともとハヤカワ文庫・創元推理文庫で育った世代にとってはよい時代でした。


土橋
SFがまだ元気な時代でしたよね。


片岡
はい。次が「ニルスのふしぎな旅」、それから「ふしぎの海のナディア」は今のマニアにも大人気ですね。


土橋
庵野秀明さんですからね。


片岡
庵野さんの出世作ですね。実はここから先のNHK放送作品を見てなくて。当時「名犬ジョリィ」と「太陽の子エステバン」まで見てそこから離れちゃったんですけど、1983年ごろ自分はNHK以外の他のチャンネルではどうしていたかなと調べたら、ちょうど「装甲騎兵ボトムズ」、「聖戦士ダンバイン」、「超時空世紀オーガス」の時期です。まさにそこまで民放アニメを見ていたのですが、そこで見るのを止めたんですね。あ(NHKアニメを見なくなった時期と)一緒だと。それから以降私の知らない作品が続いてます。


土橋
いつから見るのを復活されたんですか?


片岡
95年の「新世紀エヴァンゲリオン」からです。95年はちょうどDVDが出る時期なんですよ。私は当時DVDのオーサリングシステムの立ち上げをやってまして、上司らと各社に DVDを出してほしいと交渉しに行ってました。当時話題の「新世紀エヴァンゲリオン」が出ないとDVDのフォーマットは世に知らしめられないので勉強のために見始めました。さらに、バンダイビジュアルさんとは、「機動警察パトレイバー」や「攻殻機動隊」などの発売の話をずっとしてました。当時、DVD化推進のため、人気コンテンツに絵コンテや設定資料などのおまけコンテンツを統合したくて、ツール開発の支援と、それを用いて、DVD 規格のプログラミング的な側面を生かしたデモディスクの開発もやっていました。「風の谷のナウシカ」のインタラクティブのデモを作ってスタジオ・ジブリの鈴木さんのところに持っていったりもしました。一方、ガイナックスさんには「オネアミスの翼」のDVDディスクのテスト盤を持って行って山賀監督に見てもらいました。その時は世に DVDプレーヤーはまだ発売されていないので、試作機をかついで行きました。


土橋
まだテレビって525ですよね?


片岡
そうですね。向こうからはチェック受けに来てみたいな感じで、一人で訪ねていきました。山賀監督が横に座ってご覧になり、驚かれたのが、「発色とかディティールがすごく出ていて、解像度がすごいね」って。でも気づいたのが横の白い色ムラなんですね。セル画を一枚ずつ撮影する際に白い手袋で押さえるそうなんですが、それがカットごとに反射しているのが見えていると。この白く浮いているのが見えます?みたいな感じです。その話がとても印象に残ってますね。


土橋
それはやり直したんですか?


片岡
元の映像に入っているので、それはやり直ししようがないですが、実際の発売の際には一枚ずつ補正したかもしれません。でも今後DVDの時代が来るみたいな会話をさせていただきました。そんな感じでいろいろとDVDを立ち上げるために尽力し、DVD のできることや将来を体系的に説明する日本語と英語のウェブサイト (DVD from TOSHIBA) も作り、それからファン投票でDVDにしてほしいランキングをアニメとか映画とかジャンルごとに雑誌社四社とコラボして、その投票結果のウェブを作ったり、その集計データをコンテンツ企業さんへの DVD 発売リクエストとしてお伝えしたりと、この業界のアニメ制作パッケージビジネスを盛り上げるための日々でした。


土橋
それが今のTime-Onのブログに繋がっている訳ですね。


片岡
はい、片岡秀夫のおすすめ大人アニメブログなんかはその流れですね。当時からどうやってコンテンツのビジネスを活性化するかに興味がありました。ただ単にレーザーディスクやVHSがコンパクトで高画質なDVDになりましただけでは、殆どのお客さんは動かないので、そういうおまけコンテンツやメニューをリッチにすることで、劇場やテレビで見たものをわざわざ購入する価値を高めないといけないし、文化を変えないといけないと思って、主なコンテンツ系の雑誌の方に働きかけて、おまけコンテンツを競って特集するトレンドを仕掛けました。


土橋
なるほど。


片岡
おまけコンテンツ文化を作ればもう一回ユーザーは購入すると。そのためには動画メニューや動画本編から解説動画にジャンプして戻るとか、隠しエリアなど、おまけコンテンツを作れるオーサリングツールが当時は無かったんですよ。メーカーはだいたい映画会社向けにトレーラー動画と、本編にジャンプ出来ますというチャプターメニューが作れるツール開発がメインでした。それでバンバンいろんな作品を出すところが大半で、ある意味アニメのほうが (おまけコンテンツを売りにするのが) 早かったじゃないですか。それはそういう仕掛けをバンダイビジュアルさんらとやって、じゃあ重要作品はそれを予算を掛けてやろうと。やっぱりユーザーに買ってもらえる付加価値がないとダメなんです。


土橋
そうですよね、付加価値をつけないとですもんね。


片岡
これを実現できる DVD オーサリングツールが作れそうな相手探しからスタートしました。知人の紹介でダイキン工業さんのCG部門がシナリスト2という DVDオーサリングツールを開発しようとしていると知り、上を説得して東芝との提携を発表しました。そしてα版だった段階から、今の東芝デジタルフロンティアの前身となるビッツという会社に導入し、まずは DVD規格の実装のお手伝いをし、コンテンツ屋さんがやりたいことを実現しやすいユーザインタフェースや、複雑なプログラム的機能の開発ができるようにしていきました。ある程度動くようになった段階で、ダイキン工業の方と、ビッツと私の3社3人でのプロジェクトチームで、オーサリングの制作受注をするようになりましたが、開発段階からそこのスタジオで徹夜や深夜帰りの毎日で。(笑) その時代に簡単なプログラム構造の作り方や、フォトショップの色補正・レイヤーのアルファブレンディングなどを覚えて、デモディスクのメニュー用BGMは作・編曲して完パケのメニュー音楽を作り、デモディスクのDVD規格紹介や 5.1ch デモ映像制作は、脚本から絵コンテまで自分で書き、演出から撮影、
MAのディレクションまでしてました。そんな制作寄りなんで、作る皆さんの気持ちには近いと思います。


土橋
片岡さんがコンテンツよりになるのはそこなんですね。


片岡
そうなんです。制作の苦労を知っておきたいし、分かった人間じゃないやつに言われたくないよねというのがあるので、出来るだけそういうことを自分自身も言えるように、そういう納品の修羅場も含めて体験しておきたかった。アマチュアですが、作り手の端くれとして皆さんの気持ちを出来るだけ分かりたいスタンスです。

ーー 最後にこれだけは言っておきたいこと。

土橋
日々視聴率を気にしながら放送を出していますが、最近だとSNSのバズり具合なども気にするようになりました。ただ意外にネットでのバズりと視聴率は必ずしもイコールにならないというのが実感です。


片岡
結局ツイートされやすい番組とされにくい番組と両方良い番組と三分される感じですね。やっぱりツイートされやすい共通項は萌系だったりストーリーの先が読めなかったりツッコミどころがあったり旬な作品ですね。逆に人気作品はもうそんなの分かっているという感じでわざわざツィートしない。「ジョジョの奇妙な大冒険」みたいに原作が定着しているものとか、グラフの「アトム ザ・ビギニング」とかそういう感じです。そうするとツイートが人気のバロメーターとは言い切れなくて、上手くハマる作品もあるけれど、ツィートとは関係なく、視聴に人気がある作品もあることを忘れちゃいけないと思います。
グラフ 5:「テレビ視聴とツィートの比較」

土橋
NHK的には結果を見てもらわないといけないので。

インタビュアー
やっぱり数字になるんですか?

土橋
でも作品論みたいなものとか、あとアニメじゃない番組で言えば、きちんと正しい情報を伝えるとか、公共放送としての役割はあるので必ずしも視聴率ではないですが、やっぱり数字は気にしますね。当然改廃の対象のときは議論されます。アニメは数字が穫れないところもありいつも厳しいです。


片岡
再生率も入れると意外と穫れることをもっと評価してもらいたいですよね。


土橋
そこは評価してほしいですね。やっぱり録画率で再生が高いのは朝ドラとか大河やブラタモリですね。


片岡
民放枠だと制作委員会による枠買いというやり方と、局さんが主に制作するやり方があり、前者は枠の買い付け費用に対して委員会メンバーそれぞれのビジネスがうまくいくかの観点で評価され、後者は視聴率や広告主から評価され、いろいろ制約が大きいと思います。NHK さんは、そこに囚われない方向性の作品がやりやすいのかなと期待しているんです。そうすると「3月のライオン」しかり今回の「ピアノの森」しかり。音楽ものだったり、世界観のしっかりした作品を途中で切れずに最後までやってもらえるとありがたいなと。あとクオリティも期待値だとすると、やっぱり Netflix さんが目指している部分みたいな、本当にコンテンツが好きな人に刺さる良いものを作り続けていただきたいということがあります。


土橋
なるべくだから僕らも結局購入するにしても自分たちで制作するにしても、物語として面白いより多くの人に共感してもらえる視点で常に原作を選んだり作品自体を選んだりするので、そこはぶれないようにはしたいと思います。

インタビュアー
本日はありがとうございました。

土橋
ありがとうございました。


片岡
ありがとうございました。

参考
東芝テレビ視聴データ分析サービス
http://www.toshiba.co.jp/tvs/tvdata/index_j.htm

レグザで見られているテレビ番組の紹介 (アニメ・ドラマ)
http://m.timeon.jp/analytics/

[完]